• 2026年9月18日

メトホルミンは高度腎機能障害で使えません

メトホルミン(商品名:メトグルコ)は糖尿病の治療薬です。下痢の副作用はありますが、血糖低下作用もしっかりあり安くて良い薬です。しかし重篤な副作用に乳酸アシドーシスがあり、医師であれば誰もが知っているような副作用です。乳酸アシドーシスは命に関わります。

今は少し変わっているかもしれませんが、国家試験的にはメトホルミンを使用していれば造影CTが原則できませんでした。その理由が、造影CTは造影剤腎症という腎機能低下を引き起こすリスクがあり、腎機能低下によりメトホルミンの血中濃度が上昇し乳酸アシドーシスを起こしうるためです。ただし造影剤腎症がそこまで頻度は高くなく、乳酸アシドーシスの頻度も少ないため現在は必要な場合、メトホルミンを使用しながらでも造影CTを行うことはできます。もちろんその後の経過観察は重要です。

造影CTをしなくても、元々腎機能が悪い人はメトホルミンの血中濃度が上昇しやすいため、腎機能に応じて減量が必要です。腎機能障害がなければ1日2250mg、eGFR 45-60であれば1日1500mg、eGFR 30-45であれば1日750mgに減量が必要で、eGFR 30未満では禁忌(=使用できない)となっています。

しかし薬局では実際の腎機能が分からないため、高度腎機能障害(eGFR 30未満)でも処方されていることが時々あります。ただし先ほども述べたように乳酸アシドーシスの頻度は少ないので、問題になることはほとんどありません。過去には遠方の透析患者がメトホルミンを飲んでいたこともありました。その方は複数の病院で透析を受けている珍しい方で、内服薬のチェック体制がなかったのだと思います。

腎臓内科でしたら基本的に腎機能に応じてどの薬が減量必要か分かりますし不適切な処方がないか目を光らせていますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

こうの内科クリニック 093-953-6619 ホームページ