- 2026年6月17日
腹膜透析患者の受け入れ準備を進めています
腎機能障害が進行し、ご自身の腎臓だけでは生命の維持が難しくなった場合、腎移植もしくは透析といった腎代替療法を行う必要があります。腎移植はハードルが高く、思い立ってすぐに行えるものではないため、基本的には透析療法を選択することになります。
透析と聞くと、一般的には施設に通って行う血液透析を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし当院では、院内での血液透析は行いません。当院かかりつけの患者さんに血液透析が必要となった場合は、信頼できる近隣の専門病院へご紹介する方針です。血液透析には大規模な設備や専門スタッフが必要となりますが、すでに地域には素晴らしい透析施設が数多く存在するため、当院はそれらの施設としっかり連携をとっていくことが患者さんにとって最善だと考えています。
一方で、透析療法には血液透析以外にも腹膜透析という選択肢があります。これは、患者さんご自身が在宅で行う透析です。日本では圧倒的に血液透析を選択される方が多く、腹膜透析を行っている患者さんは限られているため、これまでは基本的に一部の総合病院で診療されることが多くありました。
実は北九州市には、小倉記念病院という日本で最も多く腹膜透析の診療を行っている病院があります。現在、約300名もの腹膜透析患者さんが通院されています。非常に多くの患者さんを診ている病院でも通常は50名程度ですので、300名という数字が突出していることがおわかりいただけると思います。
小倉記念病院では、腹膜透析のみならず透析関連の手術も多数手がけ、高度で多彩な診療を行っています。近年、在宅医療の必要性が高まる中で、腹膜透析の患者数は今後さらに増加する可能性があります。総合病院の負担を軽減し、患者さんがより身近な場所で安心して治療を継続できるよう、地域のクリニックが腹膜透析診療を担っていくことが望まれており、国もその方向へと舵を切っています。私も開業前に小倉記念病院の先生方とお話しし、クリニックにおける腹膜透析診療の需要に応えるべく、将来的に協力体制を築いていくことをお約束いたしました。
患者さんにとって、メインの通院先が大きな総合病院からクリニックに変わることは、ご不安に感じられるのも当然のことです。皆様が安心して治療を受けられるよう、腎臓・透析専門医である私が責任を持って診療を行うことはもちろん、クリニック全体で患者さんをサポートできるようスタッフの教育にも力を入れてまいります。
クリニックでどこまで診療を担い、どのような状況のときに総合病院へお願いするのか。その「最適解」はまだ模索中ではありますが、当院が地域の腹膜透析診療の一助となれるよう、関係機関と深く連携・協力してまいります。