- 2026年6月24日
胃カメラは良い検査です
日本人は消化器がんが多いですし、ストレス社会で消化性潰瘍のリスクもあります。当院ではできないのですが、検査が望ましい人には積極的に胃カメラを勧めています。
まず食欲が落ちてきた、最近体調が優れないというかたには提案しています。特に高齢者で胃カメラを行ったことが無い人や、過去に胃炎の指摘がある人には食道・胃・十二指腸に異常がみつかることもあります。
次に貧血がある人。胃カメラで観察できる上部消化管の出血は黒色便があったり、貧血の進行が急だったりわかりやすい徴候が多いのですが、そうでもないこともあります。採血で鉄欠乏があるから鉄補充、腎機能が悪いから腎性貧血用の造血剤投与、だけで終わるのは不十分です。きちんと出血性病変がないかの精査が望ましいです。尚、腎性貧血で投薬が必要になるのは多くがeGFR 30未満であり、投薬自体のデメリット(価格、血圧上昇、糖尿病網膜症悪化)もありますので安易に投薬するべきではありません。
上部消化管出血の場合、腎機能が悪くなることもあります。特に尿素窒素(BUN)が上昇し、上部消化管出血が疑われていない段階ではBUN上昇のインパクトが強く腎臓内科に相談されることがあります。上部消化管出血を起こしやすい薬剤(ロキソプロフェンなどの鎮痛薬やアスピリンなどの抗血栓薬)を飲んでいたり、不自然なスピードでの腎機能悪化、eGFRが保たれている割に強い貧血、などがあれば上部消化管出血を強く疑います。腎機能障害より上部消化管出血の方が命に関わりますので、そのときはすぐに消化器の先生に紹介します。
腎臓専門医であれば腎臓と絡めて適切に貧血の評価が可能です。胃カメラも性能が上がりましたし、鎮静薬を使用して検査もでき、上手な先生も多いです。きちんと情報提供を行い、検査が必要な人には今後も胃カメラを勧めていきます。