- 2026年7月4日
血尿の鑑別
血尿には目に見えて赤い肉眼的血尿と、一見普通の尿でも検査すると潜血反応陽性の顕微鏡的血尿があります。肉眼的血尿であれば積極的に膀胱腫瘍等の尿路腫瘍の除外を行うのですが、顕微鏡的血尿であれば難しいです。
潜血のみ続く人は少なくないため、全員に尿路腫瘍の検査を行うのは現実的ではありません。年齢や喫煙歴、特殊な薬剤使用がないか等を問診して必要性を検討します。
それ以外にも、尿沈渣という有用な検査があります。腎臓で尿が作られ、腎臓から出ていったあと、つまり尿管から膀胱、尿道までのどこかで出血すると、単なる血液が出ます。しかし腎疾患による血尿は尿が作られる段階で出血し、血液の成分の赤血球が変形して尿中に出てきます。
尿沈渣は尿を遠心分離機にかけて顕微鏡で評価する検査です。赤血球も見えますし、変形した赤血球がどれくらいいるかもわかります。機械で測定する方法もあるのですが、基本は人が顕微鏡で見て評価します。変形赤血球が多ければ血尿は腎臓由来、つまり尿路腫瘍の可能性は低くなります。
どこでも検査できるわけではなく、当院でも行えません。検査会社に出して検査してみたのですが尿をとってから検査するまで時間がかかるため検査の信頼性もなく、赤血球も変形しているかどうかまで評価はできませんでした。診療報酬も「院内で検査した場合に限り算定可」となっており、信頼性の低い外注での検査は認められていません。
当院では血尿がみられた場合に尿沈渣での評価はできませんが、リスクによってエコーや尿細胞診などの追加精査を検討し、必要に応じて泌尿器科と連携をとって診療していきます。血尿でお悩みのことがあればご相談ください。