- 2026年8月5日
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使い分け
降圧薬にはいくつか種類があります。Ca拮抗薬やβ遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、MR拮抗薬、α遮断薬など作用が異なったり、同じ作用のグループでも効果の強さが異なったりします。私がよく使用するARBについて説明します。
簡単に言うと血圧調整に大きく影響するレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系というホルモンの働きを抑える薬になります。それらは血圧を上げるだけではなく、心血管合併症のリスクを上げることが知られています。そのため心疾患がある人には積極的に使用される薬です。また、腎臓の負担をとる作用がありますので腎保護効果もあります。特に尿蛋白が出ている人には効果が大きいです。ACE阻害薬も似たようなメカニズムの薬ですが、咳の副作用があったり腎機能障害があると使用しづらかったりするため腎臓内科ではARBを使用することが多いです。
ARBにもいくつか種類がありますが、基本的に降圧作用の強いアジルサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンを使用します。しかしオルメサルタンは腸炎の副作用を言われるようになり、アジルサルタンかテルミサルタンを使用することが多いです。テルミサルタンにはPPARγ活性化作用というものがあり、糖・脂質代謝を良くする側面があります。血圧がかなり高い人にはアジルサルタン、糖尿病や脂質異常症がある人にはテルミサルタン、と使い分けることもしています。その他にも、ロサルタンという尿酸を下げる効果のあるARBもあります。尿酸低下薬ほどではありませんが、それほど尿酸も高くなく高血圧もある人には良い適応です。
昔は薬の選択肢が少なく、降圧薬も血圧を下げるだけのものも多くありました。今は病気に合わせて適した降圧薬を選択していくことが重要です。総合内科専門医、腎臓専門医の私が適切な降圧薬選択をサポートします。